雑記 〜音楽と機材とその他アレコレ〜

音楽や機材の話を記します。半分備忘録です。

弦の本数

エレクトリック・ベースという楽器がこの世に生まれ落ちた時、弦の本数は4本でした。これが1950年代後半のこと。Leo Fenderおじさんの手によって作られました。この楽器の登場によって音楽の世界もガラッと変わって、ロック、ポップスなどがどんどん隆盛を極めていきます。(同時期にリッケンバッカーでもエレキ楽器は作ってたっぽい。)

 

エレクトリック・ベースは数多くの人に愛用され、それはもう、いくつの名盤の録音に使われたことか。

 


Marvin Gaye What's Going On Live 1972

Fender社のプレジションベースを使っていますね。このベーシストは業界では神様みたいなもんです。かっこいい。

 

 

その後、デジタル機材の台頭や、時代背景もあって、エレクトリックベースはある問題にぶつかります。

 

それは、「Eより下の音が出ないこと」です。シンセサイザーなら難なく出てしまうのに、変則チューニングなど特殊なことをしない限りは最低音がEで固定であり、アレンジの幅が狭まってしまっていたのです。実際根深い問題でして、今でもキーがDやCの曲をやるときはかなり頭を悩ませます。3弦5フレットのDはかなり高く聞こえてしまうし。 

 

そんな状況を受け、当時のスタジオミュージシャンら(Anthony Jacksonとか)はKen smithさんやMichael Tobiasさん、あとはVinny Foderaさんとかに「弦を増やしてくれ」とお願いしてベースを作ってもらいました。

 


Lee Ritenour - Captain Fingers

好きなベーシストの一人、Anthony Jackson氏の演奏です。本当はもっと古いライブ映像あればよかったんだけど。

 

そうして、この世に多弦ベースが生まれることとなったのです。もともとコントラバスにも5弦のものがあったり、ヴィオラ・ダ・ガンバという6弦のフレット付きコントラバス(みたいな楽器)があったりするので、発想自体はごく自然なものと言えますかね。(この楽器は映画「耳をすませば」でおじいちゃんが演奏しているので観てみると◎)

 

 

 

 

 物、特に楽器には生まれた背景があります。多弦の楽器だって、演奏にハード面で限界を感じた凄腕ミュージシャンが、それまでの常識を覆すような楽器をオーダーしたことに端を発するわけですし。ちょっと変わったベースは、音域を広げ、ひいては音楽の世界を広げる一端を担っているとまで、言えると思います。言い過ぎかな。

 

なので、機材面で音楽の幅を狭めるようにはなりたくないなと思っている次第であります。自分が多弦ユーザーってのもあるけどね。

 

 

今日はここまで。